◎7/8マチネ @帝国劇場
「エリザベート」感想 ※ネタバレ注意 
※7/20ちょこちょこ追記 





この日を。

この日をいつから待っていたでしょうか。



昨年、井上芳雄くんが「モーツァルト!」のタイトルロールを卒業と聞いた頃、
「エリザベート」が上演決定の報があり、でもまだキャストは発表されていなくて、
「えっ、まさか井上トートだったらどうしよう?」と思いつき、
とにかくその夜はニヤニヤして眠れませんでした。
んなわけ、ミュージカルファンを金欠の泥沼に陥れるような、
そんなキャスティングがあるわけないと。


エリザベートといえば、私が田舎の学生時代、
寂れた田舎の駅に貼ってある、山口祐一郎と内野聖陽のWトートのポスターを見て、
お嬢な友人二人が「私は山口さん!」「いーや、内野さんよ!」と、
オシャマなバトルをしていたことを思い出します。

当時、全く興味のなかった私。

あのとき、ルドルフは井上くんだった…!!!!!!!

思い出すだけで、口にくわえたハンカチが数十枚噛み千切れそうです。
それから10数年。まさか井上芳雄くんがトートになるんですから、
この日まで生きていて良かったなぁと心から思います。




何年待ったことかしら…ついに7/8マチネで初観劇にいたりました。
待ちわびすぎて感想がまとまらないので、
まずは井上トート閣下と京本ルドルフの関係性にすごく萌えたことについてです。


<7/8マチネ キャスト>
エリザベート:蘭乃はな
トート:井上芳雄
フランツ・ヨーゼフ:佐藤隆紀
ルドルフ:京本大我
ゾフィー:香寿たつき
ルイジ・ルキーニ:尾上松也
少年ルドルフ:池田優斗
(お歌がうまくてビックリ!でも、エリザが初舞台なんですって)



のっけから正直申し上げますと、京本大我さんがルドルフと聞いて戸惑ったのです。
ジャニーズでしょぉ…と。
しかし、蓋を開けてみたらなかなかにスゴくて、ファンの方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。

まずは、低くて揺るぎない歌声なのに若さを感じさせるところ。

そして、一番びっくりしたのは「闇が広がる」のときのルドルフの表情。
なんか勝手に「ルドルフは苦悩のうちにどんどん弱っていって、そこをトートに取り入られて死に導かれる」というイメージでいたのですが、

なんかちょっと笑ってるよルドルフ…!!!!!!!

最初この笑顔を見たときは、
「えっ、京本さん役作り大丈夫?緊張してるん?」と違和感ありまくりで困惑したのですが、違ったんですね。

あれは「幼少期からの丁寧なトートの調教によって滞りなく成長し、結果的にちょっと狂っちゃった」(違)
「死に焚きつけられて狂気じみた決意をしちゃった」表情だったのですねー。ゾゾゾっと鳥肌が立ちました。


さてさて、何はともあれ井上芳雄くんのトートですよっ。
「マイヤーリンク」では、トートがルドルフに死のキスを与えるのではなく、
銃を持ったルドルフがトートに自ら死のキスを求める演出だったのですが、
井上トートと京本ルドルフで見て、これがものすごくしっくりきました。

というのも、今回が初トートである井上芳雄くんは、
山口トートみたいな"絶対的な帝王"というより、”死の王子”みたい?と感じたから。
若さゆえに間違いも犯しそうな、人間味がありそうな(あってほしいと思わせる)王子様。

そんな王子トートとルドルフは、絶対的な支配者と被支配者の関係というより、
奇妙な友情で結ばれた対等な関係に見えました。

つまり、劇中で唯一、直接人に死を与えるというトートの役割を、
あえて自我を持ったルドルフに任せた
のは、
井上トートとルドルフの関係性を引き立たせるためだったのかなと思ったのです。


王子様トートはエリザに袖にされ続けて、きっと心も折れそうになっていたはず。(注:妄想)
その中で出現したルドルフを、本当に友達として感じていたのだったらイイじゃないですか。

黄泉の帝王としてではなく、親友のように常にそばにいる存在として、
限度は過ぎていたにしても、そそのかしたり銃を向けてみたりして遊んでいたんだとしたら、カワイイじゃないですか…。


しかしその友達が、自分の行き過ぎた誘いによって"死"を選んだ。
黄泉の帝王にはあってはならないのだろうけれど、
どう処理して良いか分からない悲しみみたいなものが、
ルドルフのキスを受け入れたときのトートの表情にあらわれていたと思います。
(動画1:50あたり)



その後、ルドルフが命を絶つ前に、トートがルドルフに暫しおでこをくっつけて手で頬を包んだのも、
別れを惜しんでいるような、そそのかしたのを後悔しているような。
ルドルフはすっかり覚悟ができているのに、井上トートは今にも引き止めそうなんだもん!

トートは、ルドルフが死ぬか死ぬまいか迷っているのを見て楽しんではいたけど、
本当に死ぬなんて思っていない。そんな気持ちさえ感じさせるのは、井上芳雄くん本来の人間性によるものなのかもしれませんが。


というわけで、もうちょっと勝手に妄想してみると、
この演出は、今年トート役に初挑戦する井上芳雄くんのためなのかもしれないと思ったのでした。

井上くんは、つい半年前まで演じていた最高に人間くさいヴォルフガングとは正反対の、徹底的に人間性を削ぎ落とした役を演じるわけですが、
少なくとも私はどこかに芳雄くんの茶目っ気というか、人間っぽさがにじみ出ないものかしらと期待してしまったのです。
それが顕著に発揮されたのが、ルドルフとのシーンだったなーと。

きっとこれから何年もトートを演じていくであろう井上くん。
今回は覚悟したルドにキスされて戸惑っていたトートでしたが、次回はもっと冷徹な顔をしているかもしれない。いつか、トートがルドに死を与えるかもしれない。

”王子様トート”から、”絶対的な帝王”へ段階的に変わっていく姿を、
ルドルフとの関係性で追っていけるのかもしれません。

そんなことを考えたエリザ体験でした。




いろいろと妄想が爆発してしまいましたが、
いやあそれにしても、シシィと結ばれるのは物語上いいとして、
ルドルフとのキスシーンは、本当に展開が読めなくて心がイタかった…。
まさか、徹底的にSな顔してたトート閣下が、あんな目をするなんてっ。

しかし!そのお顔、大変萌えました!!!


結局はコレです。
城田優トートも見てみたいなあ…。



ちなみに、2007年収録(追記:2002年発売でした!ご指摘ありがとうございました)、
井上芳雄くんの「SOTTO VOCE」に闇広が入っていて、
ルドルフとトート両方を歌っているのですが、トートパートの深みが全く違うのには当然とはいえ本当に本当に本当に驚きです。

今年のエリザの出来がどうこうではなく、井上くんの初トートは歴史的に記録しておくべきだと思うのですがっ。東宝さん!



★ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

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